昨年夏、虫にやられてのっぺらぼうになってしまったカザンリク。
3月~暖かくなってきたら、みるみるうちにまた葉っぱが出てきました。
今日、見たところ花芽が2つ。
今年はお花が見られるでしょうか。どんな香りがするのか楽しみだー。
ハーブが好きでもそうでなくても、1度はどこかで聞いたことがあると思います。白い花びらにぷっくりした柱頭で、5月頃に咲く花です。
▼自宅で栽培するといつも花の直前にアブラムシに食べられてしまいます。涙。
この画像はwikipediaからお借りしました。
今の季節、新しい生活が始まり、うきうきされている方がたくさんいらっしゃると思いますが、中には
「初対面の人に会うのが苦手」「緊張してお腹が痛くなる」
なんていう方もいらっしゃると思います。
ジャーマンカモミールはそんなときに飲むといいお茶だと言われています。「ローマンカモミール」という、同じような花がありますがその花とは別の話です。
メディカルハーブ安全性ハンドブックだと、安全性クラスレベル1
毎日飲んでもそんなに問題はなさそうです。
(キク科植物のアレルギーの方はご注意ください)
最近ではスーパーのハーブコーナーにも置いてあるくらいの、お馴染みのハーブです。
憶えられないくらいいろいろな効能があると言われている植物で、何かあったときに便利なので、家に切らさずおいているハーブの1つです。
私が参考にしている本では、「ストレス抑制のハーブ」にカテゴライズされています。
みなさまはご無理をされませんよう、自己判断でお願いします。体調が悪い時は、くれぐれも「病院に行く」という選択肢を忘れないようにしてください!
数年前、職場のゴタゴタでストレスがたまったのか、お腹が痛くなってしまいました。
消化器官のどのあたりかさっぱりわからなかったのですが、刺すような痛みで、お腹を貫通して手で背中を押さえるくらいの痛さ。
痛みがおさまったような感じがしても、食事をするとまた痛くなる・・の繰り返しでした。
最初に痛くなった日から1週間ほど経っても続くので、病院に行こうか迷ったのですが、ストレスを抑制すると言われているハーブを試してから病院に行くことにしました。
このときに飲んだのが、
「ジャーマンカモミール」
と同じくストレス抑制にカテゴライズされていた
「ウッドベトニー」
どちらも「ストレスが原因で起こる痛み」が効能として挙げられていますが、ウッドベトニーは頭痛のときに使われることが多いようです。私も元々頭痛のときに試すために買い置きをしていました。
最初はウッドベトニーをシングルティで食事毎に2日間飲みました。
飲んだ直後にみぞおちのあたりまで温かさが広がるのを感じました。そのおかげか、痛みで体全体が緊張していたのですが、それが楽になりほっとしました。食事も家族と同じものを少量食べましたが、大丈夫。でも、量を多くするとやはりお腹が痛くなりました。
で、3日目にカモミールにチェンジ。
ウッドベトニーで感じたような温かさが、消化器全体に広がるような感覚があり、緊張感がさらになくなりました。食事毎に飲むことにし、2回目の食事の後から食後のお腹の痛みを感じなくなりました。
あ~らふしぎ。
その後は通常の食事量に戻しましたが、痛みはなくなりました。
このときは本当にカモミールに感謝!でした。
2種のハーブの、お腹の中での温かさの広がり具合の違いも面白かったです。
それ以来カモミールを常備してはいますが、ストレスが原因でお腹が痛くなることもなく・・・穏やかに過ごせているので助かっています。
夜に寝る前や生理前に飲んだり、芳香蒸留水(化粧水になります)を作ったり、いろいろ応用がきくハーブです。
カルペパーは、カモミールを太陽に、ウッドベトニーを木星にカテゴライズしていました。
カモミールが「太陽の花」というのは、飲んだ後にホンワリとあたたかくなったり、お花の形からも、なんとなくイメージできますよね。
ウッドベトニーが「木星」というのは・・・。
「頭痛」や「ストレス」など頭脳や精神などがテーマのときに使われるものだからなのかなぁ?
タイムマシンがあったら、カルペパーに聞いてみたいです。
「蒸留器を買ったら、最初に蒸留するのだ!」
と決めていた沈丁花。
蒸留器を買った後、開花時期のタイミングを逃してしまい、今年やっと蒸留水を作ることができました。
沈丁花の花の香りが大好きなのですが、みなさんご存知の通り、精油は製造されていません。
「どうしたら香りを手元に置いておけるかな」
「蒸留水を作るしかないか・・・」
というのが、数年前の短絡的な思いつきでした。
お花を1輪1輪分けるのですが・・・。
白い花だったはず?なのですが、分けていくとピンクの花に見えます。
蒸留は先日のブログに書いた、アランビックで行いました。
蒸留後はすっかり色が抜けて、白くなってしまいました。
蒸留後、ポットの中に残ったものです。オレンジフラワーの蒸留をしたときのものと匂いが似ている感じがしました。花びらが肉厚なものは、同じ様な匂いがするのでしょうか。^^
そして蒸留水。香りは・・・残念ながら、お花のときのままとは行かず、かなり強い香りになってしまいました。
芳香成分それぞれが、自己主張しすぎな感じです。
ローズのときと同じく、日が経つと香りが少し落ち着いてくるのか、もう少し様子を見てみます。
沈丁花のお花の香りは120種類以上の芳香成分で構成されているそうで、ネロール、ネロリドール、ゲラニオールも含まれているそうです。
私は「ネロラー(ネロリ好き)」。
だから沈丁花の匂いを嗅ぐのをやめられないんですね。
お花は漢方薬に利用されるようですが、果実は有毒。
(樹液や樹皮も毒性があるようなので注意)
「内藤記念くすりの博物館—薬草に親しむ」
http://www.eisai.co.jp/museum/herb/familiar/daphne.html
大学卒業後、著者はシェフをめざすべくレストランで働き始めたが、ジョギング途中に交通事故にあう。
頭を強く打ったそうで、その拍子に嗅神経が切断されて匂いを感じなくなってしまった。
いかんせんすべて頭蓋骨の中で起こったことなので「嗅神経が切断された」のかどうかも、何かを見て判断されたものではなく、
「たぶんそうだろう」というところのよう。何か検査や治療をするわけでもなく、「失った嗅覚を取り戻すことは非常に難しいです」と診察を終了されてしまうそうだ。酷なことだ。
それからの生活や感情の動きが細かく記されていて、著者は「嗅覚は情動と関係ある」ということを体感したようだ。
回復していくタイミングで、嗅いだ香りが何の香りであるのか、香りと名前をひも付けすることができなかったそう。
グラースの調香のクラスを受講して、香り⇔名前のひも付けをしなおしていくところを読むと、普段私たちが何気なく無意識に行っている「匂いを嗅ぐ」という行為が、何百何千という身体の中のプロセス(細胞、神経)、段階を踏んだ上での感覚であることがよくわかる。
著者がなんとかして嗅覚を取り戻そうとしている様子を読みながら、「がんばれー」と心の中でつぶやいていた。
事故が原因で嗅覚を失うと、それを回復できる可能性はあまりないそうで、著者はとてもラッキーな人の1人。
事故後、著者が最初に感じた香りは料理に使った「ローズマリーの生葉」の香りだった。カルシノン酸のおかげなのだろうか?
先日見たテレビ番組でも、ローズマリー精油に触れられており、軽度のアルツハイマーの症状の軽減に役立つという結果が出ているとのことだった。ローズマリーはもう少し丁寧に論文などを読んでみたい植物の1つ。
ウェブで他の方のレヴューを読んでいたところ、医療系専門職の方が「事故後、早い段階で抗生物質を投与すれば傷ついた神経が回復する」「著者が服用していた薬については記載されていないが、おそらく抗生物質も含まれていただろう」という旨を書かれていた。
ハーブの香りだけで回復した・・というわけでは決してないとは思うけれど、回復期に一番最初に著者の嗅神経を刺激した成分がローズマリーの成分だったというのはとても印象深かった。
文中の料理に関する表現が豊富。最初は香り中心だったものが、だんだん、色、食感の表現が増えてくる。シェフ志望だったこともあり、フレグランスだけでなく、フレーバーについても触れられていた。
嗅覚障害を持つアイスクリームメーカーのオーナーさんにもインタビューしていて、この人は自分が嗅覚障害があるので、自分が感じとれる味や食感を製品に取り入れることで成功したそう。「食感が面白い」食品は嗅覚障害がない人にとっても新鮮なこと。これもとても興味深かった。