5月の中頃に、
「日本読書療法学会」主催、学会設立3周年記念の林望先生の講演
を拝聴しました。
演題「報われなさを生き抜くために」
「リンボウ先生」もお若いときは、自分の努力が周囲の方に認められず、挫折感を何度も持たれたことがあったそうです。そのときにどんな態度、気持ちでいつも臨まれていたかというお話しでした。
コツコツ努力する人より「騒ぐ人、目立つ人、派手な人」が話題をさらっていく昨今、リンボウ先生の含蓄のあるお話をうかがって、私も少し力が沸いてきました。
私が感想を書き始めると、またブログが長くなりますので・・・内容については上記の寺田真理子さんのブログをごらんください。
リンボウ先生の「挫折感」のお話については、下の本でもちらりと触れられています。
読書療法のこと
ところでみなさん・・・
という言葉をお聞きになったことはありましたか?
病院でお薬ではなく、「その人の症状に合った『本』を処方して、読んでもらうことで症状の改善をはかる」という療法で、海外では行われていることのようです。
イギリスの心の病気をサポートする機関では、行動療法の一部としてそれに関する本を勧めて、病気で機関を訪れる人に読んでいただいているそうです。
心の病気以外にも以前から、「腰痛や頭痛が心理的な問題からきていて、その問題を修正しようとすることで痛みも軽減する」という話は、日本でも何度も取り上げられています。一定の成果も出ているようです。
『サーノ博士のヒーリング・バックペイン』
はご存知の方は多いと思います。読むことで腰痛の原因になることへの「気づき」があり、腰痛が軽減した方も多いとのこと。
しつこい頭痛肩こり持ちでしたので、私もよく読みました!
少し話が逸れますが、知人のセラピストさんに聞いた話では、腰痛で病院に行って、「ヘルニアだ」と言われたというクライアントさんが、以前よりずいぶん減っているとのこと。この本が翻訳されてから、腰痛ならなんでも「ヘルニア」で片付けられることが少なくなったのかもしれないと思いました。
おまけ/また長くなったので・・・・よろしければお読みください
私が読書療法に関心を持った大きな理由
2つあります。
- 転校生活が長かった子供の頃、「本」のおかげで精神的に助けられたことが何度もあったこと
- 大学を卒業してから最初にした仕事が「書店人」だったこと
(7年ほど働いていました)
私は子供のころ何度も転校したのですが、安心安全な場を得て、その場で周囲の人としっかりとした関係性を築くことが難しいと感じたことがたくさんありました。
長期間同じ場所に住んでいないと、学校の先生との関係づくりも難しかったり、気持ちをシェアできる子にもなかなか会えなかったりします。
そういうとき、「本」は傍にいてくれる先生でもあり友達でした。本がなければ、もっと体も心もバランスを崩していたと思います。
中途半端な哲学を語る人の話を聞くより、何十年間、何百年間、何千年間と、たくさんの人に読み継がれて今に残っている、本に書かれている内容の方はよほど説得力があり、自分の力になることもあります。
1つ1つの言葉に対して、じっくり取り組むこともできます。
本の中で、自分と似たような子に出会うと味方を得たような気がしましたし、自分が今いる場所とまったく違う、世界の広がりも、活字や本で感じました。
今でも本や書店が大好きです。
自分が助けられたときのように、何かのときに支えになる本をご紹介できるといいなぁと思ったことと、読書療法について詳しく勉強できればよいなと、学会に登録いたしました。
読書療法学会の会費などは無料で、資格や身分の制限などはないようです 。
このブログでも、植物療法のご紹介と一緒に、本のご紹介ができるといいなぁと思っています。
今後ともよろしくお願いいたします。