体の痛みと心の痛み
『心身一如』という言葉があります。
肉体と精神は一つ。分けることができないもの。表裏一体であること。
という仏教の言葉です。
心身一如、私の体験
仕事上のあれこれのストレスがたまって、やり場がなくなっていたころ、首にかなりの痛みが出て、首の側屈ができなくなってしまいました。いつまでたってもおさまることはなく、肩にしびれが広がりました。ボディワークのセッションを受けてかなりおさまったのですが、首の動きにまだ不安が残っていました。このような不調が体のあちこちに繰り返し起こるようになりました。
(直接の理由はまた別にあるのですが)退職をすることに決め、上司にその旨を話しました。その日以降、首に残っていた違和感が消えました。体重は変わらないのですが、体や脚がとても軽く感じ、素早く動けるようになったような感じがしました。
よく、「緊張するとお腹がいたくなる」など、心のひっかかりが消化器系に影響があることはよく聞きますが、筋肉や骨格、神経にも出てくるのだなぁと実感した体験でした。
- 生活上ストレスとなる理由が自分でわかっていて心がどよんとしているとき
- それと同時に、体に不調を覚えているのだけれど、「『病院に行く』『薬を飲む』感じではないなぁ」となんとなく感じるとき
こういう方に、アロマセラピートリートメントやボディワークで考え事でいっぱいになった頭の中にスペースを作り、同時に体で自分がリラックスした状態を覚えて、体と心を一緒に整える、ケアすることをご提案しています。
フォーカシングはもともとは自分のこころを見つめる方法なのですが、不思議と体もリラックスします。1人でできる方法なのでおすすめです。
もちろん、病院に行くことを検討されることも大切です。「病院に行かなくても良い感じ」がどういう感じがわからない方は、病院に行かれることをおすすめします。
アロマテラピートリートメント、ボディワーク、フォーカシングをおすすめする理由
香りは体に意識を戻す手助けになります
アロマセラピーの精油の香りをかぐとき、普段気にすることが少ない「嗅覚」を使います。「何かの匂いを嗅ぐこと」「嗅覚」を意識して使うことは、かなり単純なことなのですが、いろいろなことでパンパンになった頭や心には思った以上に効果的です。
酸素と一緒に芳香成分が体の中に入っていくことをイメージをして、香りを感じることは、体に意識を戻す手助けをしてくれます。
アロマセラピートリートメントやボディワークも同じです。プラクティショナーの手が体に触れているとき、自分の体の存在を認識せざるをえなくなります。
意識が体に戻っている間は、頭で何かを考えない、空白になる時間が少なからずできます。
その空白の時間が、頭でいろいろなことを考えがちな人にとってはかけがえのない時間になります。
頭に行き過ぎた意識を体に戻す
私の主な仕事は企業や商品のWEB上での広報、販促活動について考えることでした。目に見えないお客様の行動をWEB解析システムや顧客システム、売上金額などから推測して次にどんな活動を行うか考える仕事です。
嫌いな仕事ではなかったはずなのですが、数値や金額、解析システムを見ながら自社サイトやSNS上の人の行動について、頭の中で想像を膨らませていると、地に足がつかない感じになりました。動いているその人そのものを、実際に見ているわけではないのでとても「変な感覚」になるのです。
オフィスの自席でパソコンの前にずっと座っていると、目の疲れ、頭痛、肩こりや首のこりもひどくなってきます。女性の月のもののときは特にひどくなり、イライラ、ソワソワ「変な感覚」も一層ひどくなります。化粧ポーチにはお守り代わりにいつも頭痛薬が入っていました。
「どうすればこの変な感覚を解消できるのかなぁ」と思っていたときに友人がジャック・ブラックバーンさんのセミナーに誘ってくれました。これがボディワークとの出会いです。
最初に習ったことは、『フォーカシング』。ジャックさんオリジナルのフォーカシングの手順で進みます。「自分の体を感じること」にたっぷりと時間を取ります。「体を感じること」で、イライラ、ソワソワした気分や頭の中がパンパンになる感じが少しずつ解消され、地面にきちんと自分の足が付いたように感じます。
自分のことも周りのことも冷静に見ることができるようになり、少しずつ周囲のことも優しい目で見られるようになります。
(ジャックさんだけでなく、私にはお師匠さんと呼べる、影響を受けている方が何人かいるのですが、そのつど順番にご紹介させていただければと思っています)
一般的な「整体」や「マッサージ」とボディワーク(狭義)の違い
ボディワーク(狭義)にはいろいろな流派がありますが、どの流れでも大切にしていることは次のようなことが挙げられます。
- 肩こり、首こりの場所だけや筋骨格だけにアプローチするのではなく(体液、皮膚、内臓も含めて)体全体のバランスを整え、動きやすい体作りをする。体が自由に動く感覚を大切にする。
- 施術の受け手が「内側から自分を見ている自分」や主観を大切にすること。
- 受け手は体で感じていることをその場で言葉にしてみること。変化をした様子を言葉で表現することで、その状態が脳に定着する。
- 施術者は受け手の体の自然な動きや変化を大切にし、受け手の体の変化を意図しない。
- 頭に行きがちな意識を体に戻し、グラウンディングができている体の状態になる。
- 『プレゼンス(いまここ)』にいることは、精神面だけでなく体にも良い影響がある。
これらは一般的な「マッサージ」「整体」とのわかりやすい大きな違いだと考えます。
グラウンディングとプレゼンスにいる感覚を体で覚えると・・・
グラウンディングできている状態や、プレゼンスにいる状態を覚えると、混乱したときもすぐ心が落ち着いた状態に戻れます。
自分の心、体が緊張している状態にも自然に気がつきます。
体に意識が行っている状態をキープできると、風邪の引き初めにハーブティを飲むことで風邪が軽くすんだり、肩こりがひどくなる前に運動をしてみたり、体のいい状態をキープすることもできるようになりました。
もちろん頭痛薬の利用回数もかなり減りました。